養育費の増額

最高裁の司法研修所は、離婚訴訟などで広く使われている養育費の算出基準について、今よりも受取額が増える方向で、新たな基準を策定する方針を固めています。2003年に示された現行基準には、金額が低く、母子家庭の貧困の原因になっているとの批判が強く、社会情勢に合わせた改定を行うことにしました。養育費を支払う夫の年収が450万円、15歳の子を養う妻の年収が100万円なら、1カ月あたり4万円超6万円以下となります。家裁では、この額をもとに他の事情も考慮して養育費を決めますが、生活を維持するのは不十分なケースも多く、母子家庭の貧困の一因になっています。
離婚する夫婦は年間20万組ほどに達しています。国が3年に1度調べるひとり親世帯の貧困率は、2015年では、半数超の50.8%に上っています。司法統計によると、全国の家裁での調停や審判で、昨年養育費を支払うことを決めた件数は約3万1千件です。毎月の支払額は、2万円超4万円以下が約1万件(33%)と最多で、1万円超2万円以下が約5,500件(18%)、4万円超6万円以下が約4,700件(15%)でした。

(2019年11月13日 朝日新聞)
(吉村 やすのり)

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