骨髄移植によるHIV感染の寛解

エイズウイルス(HIV)感染者が、別の病気の治療で骨髄などを移植する造血幹細胞移植を受け、HIV感染が寛解したとの報告がされています。世界で2例目です。HIVは、細胞表面のCCR5というたんぱく質を足がかりとして感染します。CCR5を持たない人は、HIV感染が起きないことも知られています。




このHIV感染者が進行性ホジキンリンパ腫により、CCR5遺伝子に変異がある提供者から骨髄移植を受けました。移植から1年4カ月、薬物治療を続けた後は、1年半にわたって薬を使わないのにウイルスが検出されていません。しかし、骨髄移植のリスクを考えると、HIV感染の標準治療とすることは適切とは思われません。

(2019年3月6日 朝日新聞)
(吉村 やすのり)

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