高校入学者の奨学金申請者数の増加

育英会は、国公立の高校に進学する生徒の場合、2022年度までは返済不要の給付(月2万円支給)と、2020年以内に無利子で返済する貸与(月2万5千円支給)がありました。しかし、高校進学を諦める生徒をなくすために、2023年度から月3万円給付に一本化しました。高校入学予定者の申請数は、2021年度は1,168人、2022年度は1,215人と緩やかに増えましたが、制度変更後の2023年度に1,328人と急伸し、今年度は1,800人になっています。
しかし、申請に対する給付の割合を示す採用率は、2021年度は97%、2022年度は93%でしたが、2023年度は51%に低下しています。今年度は45%にとどまっています。制度を充実させ、予想以上に申請者が増え、採用できない生徒が増えてしまいました。申請した1,800人の家庭をみると、手取り収入を世帯人数で調整した等価可処分所得の中央値は127万円で、国内全体の中央値である254万円の半分ほどです。
奨学金の財源は、街頭募金のほか、個人や企業などからの寄付で賄っています。郵便振替などによる寄付は増加傾向にありますが、街頭募金の額はコロナ禍の前と比べて減少傾向にあり、寄付額全体はほぼ横ばいです。

(2024年4月26日 朝日新聞)
(吉村 やすのり)

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