高血圧患者のAI判定

九州大学の研究チームは、人工知能(AI)を使って高血圧症患者の中から手術で治せるタイプの病気にかかっている人を判別する技術を開発しました。高血圧症のうち、原因が特定されている原発性アルドステロン症は、腎臓の近くにある副腎から、血圧を調整するアルドステロンと呼ばれるホルモンが過剰に出て高血圧になる病気です。全国で約200万人の患者がいるとされています。
アルドステロン、ナトリウム、カリウムの血中濃度の組み合わせから、原発性アルドステロン症を、89%の精度で診断できることが分かりました。2つある副腎のうち、片方でアルドステロンの過剰分泌が起きている事例と、両方で起きている事例の区別もできます。片方の場合は、手術で副腎を切除すれば治せます。両方の場合も、薬による効果的な治療が可能になります。
これまでは原発性アルドステロン症を特定するには、専門医療機関での入院による検査が必要でした。AIによる予測モデルを搭載したソフトウェアやアプリを作り、かかりつけ医も使えるようにできれば、血液検査の結果で判別し、専門機関に早期に紹介できるようになります。

(2021年5月23日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)

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