日本高血圧学会は、高血圧の治療で血圧を下げる際の目標について、上130、下80未満とする新しい治療指針を発表しました。高齢化が進む中、患者に生活習慣病の改善などを強く促し、脳卒中などを予防して健康寿命を延ばすことが狙いです。国内には、約4,300万人の高血圧患者がいるとされています。
指針は約5年ごとに改定されています。新指針では、高血圧と診断する基準は、上140以上または下90以上で変更しませんが、治療目標、75歳未満の場合、原則、上130以上、下80未満としました。しかし、75歳以上は、血圧を下げる薬の影響などでふらついて転倒する恐れが高いことから、上140、下90未満としています。
血圧が上120、下80を超えると、脳卒中や心筋梗塞で死亡するリスクが高まります。上の血圧を10または下を5低くできれば、死亡するリスクは10~15%下がるとされています。欧州では、昨年指針が改定され、18~65歳の治療目標は、上120~130、下70~79です。米国も診断基準が、上130、下80以上になっています。
(2019年4月20日 読売新聞)
(吉村 やすのり)