75歳以上の高齢ドライバーが、過失の最も重い第1当事者となった車やバイクの交通死亡事故は、2020年に333件であり、前年より68件減っています。しかし、運転免許保有者10万人当たりの件数は5.6件で、75歳未満の2.7件と比べ2倍以上の高水準が続いています。車やバイクによる交通死亡事故2,408件のうち、13.8%は75歳以上のドライバーが占めています。過去最高だった2018年の14.8%以降、14%前後で推移しており、加齢に伴う身体機能や認知機能の低下を踏まえた対策が欠かせません。
2020年6月に成立した改正道交法では、一定の違反や事故歴のある75歳以上のドライバーに対し、免許更新時の実車試験を義務付けたり、自動ブレーキなどがついた安全運転サポート車(サポカー)に限定した免許を新設したりするなどの対策が盛り込まれました。高齢ドライバーや家族からの相談を受け付ける窓口も設置しています。免許証の自主返納をアドバイスするなどの取り組みも続けています。75歳以上の自主返納者は、2019年に約35万件と過去5年で2.8倍に増えています。
(2021年2月19日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)