厚生科学研究において、40歳第に比べて身長が2センチ縮んだ高齢の女性は、介護が必要になるリスクが2倍高くなるとのデータがまとめられた。姿勢が悪くなると肺炎などにかかりやすくなるほか、気付かないうちに背骨が折れていることもある。年をとって前かがみの姿勢になると、胸やおなかが圧迫されて肺炎や心臓の病気にもなりやすくなる。背骨が1カ所折れると、別の骨も折れやすくなる。
背骨の骨折は気付きにくく、3分の2の症例で放置されている。60歳を超え、40代と比べて2センチ以上身長が縮んだ場合は、骨折していないかを調べる必要がある。骨折は骨粗鬆症に起因することが多く、閉経後のエストロゲン低下によって起こる。そのため、閉経前からのホルモン補充療法を考慮し、更年期や老年期における骨折の予防をはかることが大切である。
(吉村 やすのり)