高齢求職者の増加

 厚生労働省の発表によれば、4月にハローワークに申し込んだ65歳以上の新規求職者は12万3,179人でした。前年同月より5.6%増え、記録がある1997年以降で最多となっています。物価高が続く一方、年金額の伸びは抑えられており、不足する生活費を補うため働こうとする動きが広がっています。

 4月の有効求人倍率は1.26倍、総務省が発表した完全失業率は2.5%で、いずれも前月と比べ横ばいでした。例年4月は65歳以上の求人申し込みが増える傾向があります。年度末に退職した人が再就職に動き出すためとみられます。背景にあるのは、年金額の上昇幅を抑えるマクロ経済スライドです。年金額は賃金や物価の伸びを考慮して毎年度改定されるのが原則ですが、現役世代の負担能力に応じて伸びを抑えています。

 2024年度は、厚生年金と賃金の合計が月50万円を超えると受け取る厚生年金が減りました。法案が成立すれば2026年度から月62万円までは満額支給になります。働いて収入が増えても年金が減額されにくい仕組みにすることで高齢者の就労を後押ししています。

(2025年2025年5月31日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)

カテゴリー: what's new   パーマリンク

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です