高齢者が暮らしやすい東京都内の街

 日本経済新聞らの調査によれば、東京都内の高齢者の人口密度が高い100地区について、徒歩圏内にある店や施設の充実度を順位付けしたところ、上位を台東区が占めています。大通りや商店街の近くに比較的閑静な住宅地が広がり、長く住みやすい環境が整っているとみられます。

 高齢者については、スーパー、飲食店、医療、公園、福祉施設など16種類を評価対象としています。総合スコアの1位は、浅草の雷門から南西に約200mの台東区寿4の91.2でした。飲食店、カフェ、パン屋のスコアがトップで、コンビニやドラッグストア、交番も高くなっています。2位はかっぱ橋道具通りに面した松が谷4、3位はそのすぐ北側の入谷1で、11位までを台東区が独占しています。23区全体で見ると、高スコアの地区は、東京、池袋、新宿、渋谷などの駅周辺に集まっています。

 台東区は、上野駅と浅草駅の間の住宅地に広がっているのが特徴です。賑わいのある大通りや商店街の近くにありながら、一歩路地に入るとマンションなどが並び、静かな住環境が保たれた地区が多く見られます。外国人観光客で混雑する雷門通りも、食品スーパーやドラッグストアなど地元住民が利用する店がそろっています。

 住民に愛される商店街は、能動的に買い物を楽しめて歩行が促されます。地域のつながりのある場所で暮らすことは健康にも良いと思われます。都内でも、近年空き家をリノベーションして成功する飲食店が目立ちます。空き家が23区で最多の世田谷区では、行政がマッチングに取り組んで福祉施設になどに生まれ変わる事例が相次いでいます。近所に多様な施設ができることで街の価値が上がり、住民の暮らしが豊かになっていきます。

(2025年3月18日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)

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