高齢者医療の見直し―Ⅰ

高齢者医療の拠出金の増加
主に大企業の社員が入る健康保険組合の平均保険料率が、2018年度は過去最高の9.215%になりました。会社員の保険料は収入が基準に決まっており、会社と本人が折半しています。本人の負担額は1,500円ほど上がります。高齢者医療を支える拠出金が膨らみ、11年連続の上昇です。負担の重さから解散を検討する組合もあります。保険料負担軽減のため、健保組合を解散する企業が年々増えてきています。多数の加入者が、中小企業の社員らが加入する協会けんぽに移れば、国費負担増加に拍車がかかります。
保険料率が上がり続けるのは、高齢者の医療費を、健保組合から出すお金で支えているからです。2018年度の高齢者医療に出すお金は総額3兆4505億円で、組合に加入している人の医療費(自己負担部分を除く)より、高齢者医療に拠出するお金の方が多くなっています。健康保険組合連合会は国に対し、高齢者の自己負担増のほか、健保組合から高齢者に出すお金に上限を定めるなどの対策を求めています。

(2018年4月24日 朝日新聞)
(吉村 やすのり)

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