OECDは、日本が男女の雇用格差解消や移民の受け入れなどで1人あたりのGDP成長率を0.33%に引き上げられるとの予測を示しています。加盟各国で出生率の低下が進み、高齢者や女性の就労拡大といった労働改革を進める必要があると指摘しています。2025年版は、出生率低下などが経済成長や雇用に与える影響をテーマとしています。雇用創出を重視する時代から労働力不足への対応を優先する時代に変化しているとの認識を表明しています。
少子化は日本だけでなくOECD各国でも進み、20~64歳の働く人は、OECD全体で2023年から2060年までに8%減るとの見通しを示しています。日本では30%程度減少します。働き手の減少を補うためには高齢者や女性の就業拡大や移民の受け入れが必要となります。
日本の男女間の賃金格差は、2022年の21.3%から2023年は22%に拡大しています。OECD平均は11%程度で推移しており、日本はこの水準よりは高率です。加盟の36カ国中35位です。年齢や性別に関わらず働きやすい環境づくりを進め、労働力を最大限活用することで1人あたりのGDPの成長鈍化を大きく抑えられるとしています。

(2025年7月10日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)