2016年のがん患者

厚生労働省の発表によれば、2016年に新たにがんと診断された患者数は延べ99万人を超えました。すべての病院に患者データの届け出を義務付けた全国がん登録という新たな制度による初の集計結果です。全国がん登録とは、がん患者の情報を国が一元管理する制度で、全病院と一部の診療所が登録しています。
集計結果によると、2016年のがんの新規患者数は99万5,132人(男性56万6,575人、女性42万8,499人です。2015年の患者数89万1,445人(男性51万926人、女性38万519人)に比べ、10万3,687人も多くなっています。
部位ごとの患者数を見ると、大腸は15万8,127人(15.9%)、胃は13万4,650人(13.5%)、肺は12万5,454人(12.6%)の順です。2015年に比べると順位は同じですが、全体に占める割合は、胃や肺で下がっています。それぞれの原因となるピロリ菌の感染率や、喫煙率の低下を反映したとみられます。逆に、大腸は0.4ポイント上がっており、食生活の欧米化などの影響がうかがえます。
男性は胃がんが最も多く、前立腺、大腸、肺、肝臓と続いています。女性は乳がんがトップで、次いで大腸、胃、肺、子宮の順でした。がんと診断された人の割合(罹患率)は、年齢構成を調整した人口10万人当たりで402.0です。男性が469.8、女性が354.1で、男性の方が高くなっています。

(2019年1月17日 読売新聞)
(吉村 やすのり)

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