2023年前半期出生数の減少

厚生労働省の人口動態統計によれば、2023年1~6月の出生数は、前年同期比3.6%減の37万1,052人(外国人を含む速報値)です。2年連続の40万人割れで、2000年以降で最少でした。出生数の先行指標となる婚姻数は過去最低水準で、出生減が一段と進んでいます。死亡数は2.6%増えて79万7,716人で、出生数から死亡数を引いた自然増減はマイナス42万6,664人です。減少幅は前年から3万4,393人拡大しています。婚姻数は24万6,332組で7.3%減っています。
国立社会保障・人口問題研究所が公表した将来推計人口では、2023年の出生数は76万2,000人(外国人を含む)と予測されています。10年前の106万人からは27%減ることになります。
婚姻数が増えず出生の反転が起きなければ、推計を下回っていくことになります。減少率が2023年上期の3.6%のまま推移すれば、外国人を含む出生数は、2026年に70万人割れとなる計算です。少子化が急激に進み、悲観シナリオの低位推計に近づきます。低位推計では、2050年の出生数は48万9,000人になります。生産年齢人口は5,378万人と、2020年のおよそ7割に減ってしまいます。総人口に占める65歳以上の高齢者の割合を示す高齢化率は、1割上昇して38.4%になります。

(2023年8月30日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)

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