2014年度、ノーベル物理学賞を受賞されたカルフォルニア大学サンタバーバラ校の中村修二教授が、「青色LEDの開発と将来の固体発光光源」と題して、招請講演をされました。講演の司会を担当させて頂きました。
中村先生、素晴らしい講演をありがとうございました。
先生は、従来のノーベル物理学賞そのものの受賞理念をお変えになった、初めての研究者であることがよく理解できました。それまでの物理学賞の受賞は、基礎理念の研究に対してであり、固体物性分野、つまり「ものづくり」では困難とされていました。その常識を覆された訳です。この点を江崎玲於奈氏も高く評価されています。
受賞理由の中で、「全エネルギーの4分の1が照明で消費される中、LEDは資源の節約に大きく貢献した」と述べています。我々にとって大変わかりやすい説明です。この受賞は、先生の科学に対する情熱、集中力、そして独創性無くして成し得るものではなかったと思います。先生はよく「理念が奇跡を生む」とおっしゃっているそうですが、本講演により、私ども、特にこれから研究を始める者、今まさに研究している者に対して、先生の熱いメッセージが伝わったものと思います。専心理想の実現に邁進する精神は、一貫性をもったゆるぎないものでした。世界の中村と言われる先生の光彩陸離たるお話しを拝聴でき、会員を代表して衷心より感謝の意を表します。
(吉村 やすのり)
4月23日、2014年度ノーベル物理学賞受賞の中村修二博士の招請講演
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