厚生労働省は、生後6カ月~4歳を対象とした米ファイザー社製の新型コロナウイルスのワクチンについて、国内での製造販売を特例承認しました。12歳以上が対象となるオミクロン株のBA.5に対応したワクチンも特例承認しました。これまで小児向けとしては、5~11歳が対象のものがありましたが、4歳以下の子どもが使えるワクチンは初めてとなります。接種1回あたりの有効成分の量は、5~11歳用のワクチンの3分の1以下で、計3回うちます。米国ではすでに使われています。
ワクチンをうった生後6カ月~4歳の中和抗体の量を調べたところ、16~25歳がワクチンをうった場合と同程度の有効性を確認できています。7割の発症予防効果があったというデータもあります。3回目接種でオミクロン株にも有効性を示すとしています。安全性については、生後6カ月~2歳になるまでで3回目接種後の38度以上の発熱が6.8%、食欲不振が20.2%などが報告されています。
子どもは感染しても軽症のことが多いのですが、基礎疾患がなくても重症化するケースがあり、低年齢に多くなる傾向があることも報告されています。感染後に急性脳症になるケースもあり、子どもへの感染拡大に伴って、増加が懸念されています。米国の治験や接種開始後のデータでは、安全性に大きな問題はないとされていることから、接種するメリットは十分に大きいとされています。
(2022年10月6日 朝日新聞)
(吉村 やすのり)