少子化による大学全入時代へ

 少子化の加速で、全体的な競争倍率が低下傾向にあります。文部科学省によれば、2024年度の全国の大学の募集定員は62万5,188人で、入学者数は61万3,453人です。定員充足率は98%で、記録が残る2010年度以降で初めて100%を下回っています。募集定員は年々増えています。第1志望に不合格でも、希望に合う別の大学へ進学できると考え、難関大学に挑戦する受験生が増えています。

 河合塾の分析によれば、旧帝大や一橋大といった国立大の難関10大学で、志望者が前年比5%増えています。東京工業大と東京医科歯科大が統合して誕生した東京科学大は9%増、10兆円規模の大学ファンドで支援する国際卓越研究大に認定された東北大は7%増でした。私立大も早慶上理(早稲田・慶應・上智・東京理科大)が9%増、MARCH(明治・青山学院・立教・中央・法政)と関関同立(関西・関西学院・同志社・立命館)は6~7%増と高水準です。

 中でも理工系志望の女子が急増しています。国公立大の土木・環境は前年比24%増、機械・航空は15%増と、いずれも男女合計の伸びを10ポイント以上上回っています。女子の志望先は手に職をつけることのできる医療系や教員養成系が中心でしたが、いわゆるガチ理系にも拡大しています。

(2025年1月17日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)

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