読売新聞の調査によれば、企業は65歳以上の就労について検討はしているものの、実際の取り組みには至っていない現状が明らかになっています。2018年と今回の回答を比較すると、改正高齢者雇用安定法により、4月から65歳以上の就業確保が努力義務となったことで関心は高まっているものの、義務ではないために、様子見の企業が多いことがうかがえます。取り組んでいるは30社から34社と、4社しか増えていません。
65歳以降の雇用を進める上での課題として最も多かったのは、本人の意欲の維持・向上で85社です。健康管理、高齢者にもできる仕事の確保といった高齢に伴う課題を挙げる回答が目立っています。また、賃金や人事制度の設計を挙げた企業も多く、賃金や人事制度は社の根幹に関わるため、検討に時間がかかっていると思われます。
法律では、65歳までの雇用確保が企業に義務付けられています。具体的には、定年引き上げ、定年制の廃止、継続言雇用制度の導入のいずれかの方法を採る必要があります。4月からは、65~70歳の就業確保措置が努力義務化されています。
(2021年9月20日 読売新聞)
(吉村 やすのり)