トヨタ自動車は、家族手当を大幅に見直すことにしています。月額約2万円の専業主婦らの家族手当を廃止する代わりに、子どもの分をおおむね4倍に総額します。来年1月以降、段階的に実施する予定です。女性に就労を促し、子育ても支援する国の政策を先取りする形です。安倍政権は人口減対策として子育て支援の強化に加え、女性の就労を促す方針を打ち出しています。産業界を代表するトヨタに続き、ほかの大企業にも同様の動きが広がる可能性があります。
トヨタの家族手当は月給の一部で、現在は子ども1人あたり月5千円が基本ですが、新制度では2万円に引き上げます。一方、社員の妻か夫が働いていない場合や、年収が103万円以下の場合に支払っている分である月1万9500円は、打ち切りになります。これらにより、子どもが2人以上いる社員は手当が増えていますが、妻が専業主婦などで子がいない場合は、逆に減ることになります。全体の会社支払額は変わらない見通しであり、子どもを持つ家族にとっては、大変ありがたい見直しです。
(2015年7月7日 朝日新聞)
(吉村 やすのり)