熱中症になったと感じた時、まずは体を冷ますため、風通しのいい木陰など涼しい場所で横たわることを勧めます。衣服のベルトやボタンを緩め、首や太ももの付け根、わきの下など太い血管周辺を冷たいタオルで冷やします。医療機関を受診するかは重症度から判断します。めまいや立ちくらみは、重症度1度で、見守りながらその場の応急処置で対応できます。頭痛や吐き気があるときは重症度2度で、受診が必要にあります。呼びかけても返事がおかしかったり、意識が無かったりする時は、重症度3度で入院が必要になります。
応急処置では、一刻も早い水分と塩分の補給が重要になります。ただ、水だけでは体内の塩分濃度が下がって、症状を悪化させるおそれがあります。日本救急医学会のガイドラインでは、塩分を含んだ飲み物、中でも経口補水液が適切としています。水が小腸で吸収されやすいよう糖分も入っており、早く飲めば、後遺症を減らすことが期待できます。補水液は水1リットルに対し、塩3グラム、砂糖20~40グラムをまぜれば、自宅でも作ることが可能です。
(2015年7月15日 朝日新聞)
(吉村 やすのり)