B群溶血性レンサ球菌(GBS)
B群溶血性レンサ球菌(GBS)は、約10~30%の妊婦の腟や便中から検出され、母児垂直感染症(肺炎・敗血症・髄膜炎等)の原因となります。予防法を行わない場合、英国では1000出生あたり0.5名程度、米国では1000出生あたり1.7人程度の早発型GBS感染症(生後7日未満)が発症するとされています。わが国の全国調査では、早発型GBS感染症の発症は、出生当日が圧倒的に多いとされています。また、培養で証明された早発型GBS感染症児87例の予後については、死亡13例(14.9%)、後遺症残存5例(5.7%)と報告されています。一旦発症した場合の重篤性を考慮して、universal screening(前妊婦に対する検査)が勧められています。
(吉村 やすのり)