社外取締役

 さまざまな企業の社外取締役や社外監視役そして顧問を引き受けさせていますが、その責任は重大であることの認識を新たにしています。政府は、社外取締役の機能強化に向けた指針を策定します。社外取締役の主な役割を、会社の業務や取締役会に対する監督と明確にすることで、会社に対するチェックに集中できるようにすることが目的です。会社法では、社外取締役は日々の業務執行に関わらないことが原則ですが、業務執行以外での役割や責任の範囲は法律上明確でなく、本来業務とそれ以外の線引きが難しいところがあります。
 社外取締役の主な役割は、主に経営陣や業務執行に対する監督にあることを明記しています。具体的には、会社から独立した内部通報の窓口になることや、不祥事が発生した場合の内部調査委員会のメンバ-になることを挙げています。社内の法令順守体制を向上させることも役割として例示しています。
 社会取締役には経営に対する助言のほか、監視の役割も求められますが、チェックされる側がチェックする側を選ぶという構造的な問題があります。問題がある企業ほど、厳しい社外取締役を選ばない可能性があります。ただそれでも社外取締役が多い方が、経営者へのプレッシャ-になると思います。

(2015年7月22日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)

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