文部科学省は、大都市圏に集中する私大生を地方に分散させようと定員超過へのペナルティを強化することにしています。2016年度から順次始める予定ですが、定員割れに悩む地方私大は歓迎しています。3大都市圏で定員以上の学生を入れる大規模私大が目立つ半面、地方私大では定員割れが常態化しています。私大定員の是正を強化する目的で、国からの助成金カット基準を、現行の入学定員120%以上から110%以上に下げることにしました。
しかし効果を疑問視する声も多く聴かれてれます。志望校選びは、将来の就職活動も見据えており、地方の就職先が増えなければ、受験生の志望校が同じ大都市圏で難易度の低い大学に変わるだけとの声もあります。また、国立大の定員規模や全体像には触れないで、私大の議論だけ進めるのはおかしいとの意見もあります。
(2015年7月24日 朝日新聞)
(吉村 やすのり)