OD-NETとは、卵子提供登録支援団体であり、理事長は岸本佐智子氏が務めています。岸本氏は、関西在住のタ-ナ-症候群をもつ少女・女性とその家族の会であるひまわりの会の会長も務めておられます。OD-NETは、平成24年8月に卵子提供による体外受精を支援する団体と設立され、これまでドナ-登録の準備をすすめてきましたが、病気などで妊娠できない女性が、面識のない匿名の第三者から卵子提供を受けて体外受精していたことを明らかにしました。提供は、不妊治療施設でつくる日本生殖補助医療標準化機構(JISART)の倫理委員会の承認を得て行われました。今後、受精卵が患者の子宮に移され、順調にいけば来夏にも出産する予定だとのことです。
OD-NETによれば、患者は早発閉経で妊娠が難しい30代の女性2人です。ドナ-は①原則35歳未満ですでに子どもがいる②手配偶者が同意している③提供のための採卵回数が3回以内などの条件を満たした希望者から選ばれました。提供時にドナ-と患者が顔を合わせることはありません。他人から提供された卵子で出産することは、医学的に難しいことではありません。わが国においても、家族や知人から提供を受け、出産したケ-スは過去にもありました。OD-NETによると、現在他に8組が治療へ向けたカウンセリングを受けているそうです。
(2015年8月16日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)