労働政策研究・研修機構の調査によれば、4割の人が仕事と生活のバランスを取るのが理想であると思っていますが、現実には仕事を優先せざるを得ない状況にあることが判明しました。昨年度の有給休暇の平均取得日数も7.7日で平均取得率46%です。仕事と生活のバランスについて、理想を尋ねたところ、仕事に重点が14%、生活に重点が17%、両方のバランスが60%でした。しかし、現実は仕事に重点をおくとの回答が48%にも達しています。
有給を消化しきれない理由を尋ねると、業務量が多く、休む余裕がないが最多の45%、次いで職場の人に迷惑がかかるが42%、代わりの人がいないが33%でした。1年間まったく取らなかった人の割合は11%にも上っています。出世している人ほど、有給休暇を取っていない傾向があります。仕事と生活のバランスが取れることが理想ですが、今でも仕事を優先せざるを得ない状況にあることが明らかになっています。
(2015年8月25日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)