女性の年齢別就業率は、20代後半でピ－クを迎え、30代が底となり、40代に向けて再び上昇します。M字カ－ブと呼ばれる日本固有の現象です。欧米などでは20～40代の就業率はほぼ横ばいで、グラフは台形を描きます。ワ－クライフバランスが取りにくい労働環境が原因であり、結婚や出産をきっかけに女性は仕事を辞めてしまうことが多くなっています。働きたいと希望しながらも働いていない女性は、2014年に303万人に上るとされています。
特に日本では結婚や出産で一度仕事を離れると再就職しにくい状況にあります。主婦が働きたくても働かないのは、働くことへの不安が強いことが関係しています。ブランクが長すぎて、家庭との両立ができるのかといった思いを抱いている主婦は少なくありません。残業がなくても、短時間勤務でも責任ある仕事がこなせるように労働環境を整えることが大切になります。
（2015年9月9日 日本経済新聞）
（吉村 やすのり）
