周産期医療の進歩
生まれた子どもの体重が2500g未満の場合、低出生体重児と呼ばれます。その多くは、早産による出生と子宮内における赤ちゃんの発育の障害、胎児発育遅延(IUGR)によるものです。わが国における低出生体重児の出生率の割合は、高い体外受精率や高齢妊娠による早産率の増加もあり、9.6%と高率です。しかし、全出生に占める早産児の割合が5.7%であることを考慮すると、在胎週数が37週以上の正期産で出生した低出生体重児が多いことになります。
わが国の周産期医療の進歩は著しく、30~40年ほど前であれば、生存が困難と考えられていた在胎28週未満の早産児・超早産児でも生存が可能となってきました。出生体重1000g未満の超低出生体重児の死亡率も着実に低下しています。その周産期死亡率の低さは、世界的に見てもトップレベルです。一方で生存率の向上に伴って長期予後に対する関心が高まってきています。
(吉村 やすのり)