環境によるヒトへの影響―Ⅱ

出生児体重の減少

 やせた女性(BMI>18.5)が妊娠すると、切迫流産、早産および低出生体重児のリスクが高まります。妊娠し出産の時期になると、赤ちゃん3kg、子宮の増大1kg、羊水500ml、胎盤500g、血液量1.4倍(7000cc程度)となり、2000cc増加により、少なくとも7kgは増えることになります。しかし、最近の妊婦さんはやせ型の人が多く、妊娠経過中も体重が増えないように努める女性が多く見られます。日本産科婦人科学会のガイドラインによれば、妊娠経過中の体重増加は妊娠前のBMI18.5未満の場合1012kg18.525で標準のBMIの場合710kg25以上の肥満の場合57kgとされています。
 わが国では昭和50年を境に平均出生体重が増加から減少に転じています。この30年の間に出生体重は男女ともに100g以上減少していることになります。この出生時体重の減少は、女性のやせ願望に占める妊娠中の体重増加の現象が一因と考えられています。

(吉村 やすのり)

 

カテゴリー: what's new   パーマリンク

コメントは受け付けていません。