理化学研究所などは、STAP細胞の論文不正問題で、STAP細胞由来とされる試料はすべて、以前から理研に存在していたES細胞(胚性幹細胞)由来だったとする調査結果を英科学誌ネイチャ-に発表しました。小保方晴子研究員の研究室に残っていた試料の遺伝子を解析し、理研の外部調査委員会が、昨年12月に同様の結論を出しています。米ハ-バ-ド大など米、中、イスラエルの7研究室が、STAP細胞の再現に計133回取り組み、いずれも失敗に終わったことが報告されています。
理研の研究グル-プは、小保方氏らがSTAP細胞から得たと主張したSTAP細胞幹細胞の全遺伝子情報を解析しました。この結果が、当時理研に在籍した若山照彦・山梨大教授の研究室で作製されたES細胞と、遺伝子の細かい傷までが一致していることが明らかになりました。そのためSTAP細胞が作られた可能性は、極めて低いと結論づけています。さらに、STAP細胞をマウスの体内に入れて作ったとされる腫瘍、テラト-マや万能性確認のために作ったとされる特殊マウスであるキメラマウスにも、既存のES細胞が使われていたとしています。
(2015年9月24日 讀賣新聞)
(吉村 やすのり)