病院にかかる代表的疾患

 わが国において、通院している人々のほとんどの疾患が、高血圧、糖尿病、高脂血症、心疾患などの生活習慣病です。これは、医療を受ける人の大多数が高齢者であることに起因します。これらの医療費は、公的な健康保険により支払われています。
 米オレゴン州では、公的な医療保険の財源をどのような病気や医療行為に優先的に配分すべきかを住民の意見を踏まえて決めることにしています。当局が費用対効果などに基づいてつくった優先位リストを住民の声で修正しています。今年の最も優先順位が高い分野は、妊娠となりました。出産・予防が続きます。いずれも日本では公的保険の対象とならない分野です。一方、順位が低くなると公的保険の対象から外れます。オレゴン州の基準では、日本の医療費のうち5兆円が公的保険の対象外になってしまいます。母と子を守るため政策が最も大切であることを示す究極の選択です。

(2015年9月19日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)

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