介護職員らによる虐待が増え続けています。厚労省の調査によると、2013年の相談・通報は962件で、前年度より約3割増えているそうです。虐待と認定されたのは、約4割増の221件です。施設別では、特別養護老人ホ-ムが69件で最も多く、有料老人ホ-ムは26件です。高齢化に伴い施設は急増していますが、自治体の検査体制が追いつかないことが背景にあります。介護職員による虐待はあってはならない悲しい行為です。
特別養護老人ホ-ムは、自治体の指導監査が通常2年に1回ありますが、有料老人ホ-ムなどには、介護保険法上こうしたル-ルはありません。閉鎖的な密室で行われる虐待の証拠を得るのは極めて難しいことですが、今後は部屋の状況を可視化するなどの対応が必要となるかもしれません。
(2015年9月30日 朝日新聞)
(吉村 やすのり)