保育サ-ビスを希望していても利用できない待機児童数が、今年4月1日時点で2万3167人となり、5年ぶりに増加に転じました。申込者が前年より約13万人増え、定員の増加にもかかわらず吸収できなかったことになります。人手不足などを背景に働く主婦が増え、保育サ-ビスが必要になった人が増えたのが大きいと考えられています。今年4月から始まった子ども・子育て支援新制度では、定員が6~19人の小規模保育などを新たに認可対象とし、幼稚園と保育所の機能を併せ持つ認定こども園の整備も促しています。定員20人以上の保育所を含めた認可施設、自治体が独自に補助を出したり国の補助を受けたりしている認可補外施設を増やしています。
厚労省によれば、待機児童は来年度から減り、2017年度末までには待機児童ゼロが実現できるとしています。保護者が求職活動中の場合、これまでは自治体に待機児童かどうかの認定を任せていましたが、今回からすべて待機児童に含めています。ただ、保育施設に入れず親が育児休業を延長した場合は含めないため、隠れ待機児童もなお多いことは事実です。
(2015年9月30日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)