性同一性障害のため、男性から女性への性別適合手術をした受刑者に対し、法務省は、戸籍上の性別変更手続きを終える前でも、入浴や身体検査は女性職員が対応するように全国の刑務所や拘置所に通知を出しました。性同一性障害の受刑者らをめぐっては、法務省は、2011年6月に可能な限り女性職員が対応するとの指針を出していました。しかし、戸籍上男性である場合には、女性であっても女子刑務所に移送はできません。
戸籍変更には、性別適合手術を終えているだけではなく、結婚していないことや未成年の子がいないことが条件となっているため、手術後も戸籍を変えられない人がいます。法務省によると、全国の刑務所や拘置所で、性同一性障害と診断されたり、その傾向があると認められたのは50人前後いるとのことです。性同一性障害に対しては、実態に即した柔軟な対応が必要となります。
(吉村 やすのり)