2013年度に使われた医療費は、前年度より8493億円(2.2%)多い40兆610億円で確定しました。7年連続で増え、初めて40兆円を超えました。高齢化や医療技術の高度化を背景に、1人当たりの医療費も2.3%増えて、年間31万4700円になりました。これは国民医療費であり、公的な医療保険と税金、患者の負担を合算したもので、健康診断や予防接種などは含まれません。
税金の負担が約4割を占める医療費の増加は、国の税制を圧迫する大きな要因になっています。2025年には、保険と税金だけで54兆円になると推計されています。新薬や新しい医療機器の導入により、医療が高度化した影響が大きいとされています。65歳未満の医療費は前年度より1%減少しましたが、65歳以上の医療費は、4.6%増の約23兆1100億円にも上り、医療費全体の6割を占めています。1人当たりの医療費は、65歳未満が17万7700円、65歳以上がその4倍の72万4500円にもなります。
(2015年10月8日 朝日新聞)
(吉村 やすのり)