セカンドオピニオン

 セカンドオピニオンとは、主治医以外から診断や治療法について意見を聞くことです。各地の病院で専門外来ができるなど体制整備は進んでいますが、利用のハ-ドルはいまだ高いようです。医師への気兼ねや費用などがネックになっています。しかし、医療者側は患者に対しセカンドオピニオンを勧める立場に変わってきています。セカンドオピニオンは米国で始まり、日本では1990年代から導入され始めました。別の医師の意見を聞くことで、患者が納得して治療に臨むことができます。通常、セカンドオピニオンは主治医に申し出て、カルテや検査デ-タを提供してもらう必要があります。
ただ、普及は道半です。国立病院機構は2013年までに全143病院に専門外来を整備していますが、利用者は約3400人で5年前の約2割増に過ぎません。日本では患者が医師に意見を言いにくい状況にあり、信頼関係を壊すとの不安から普及しませんでした。セカンドオピニオンの利用が進まない背景として、費用の高さを指摘する意見もあります。保険診療の適用外のため、患者はすべて自己負担せざるを得ません。料金は病院ごとに違いますが、30分間で2万~3万円を超える病院もあります。気軽に受けるというわけにはいかない金額です。

(2015年10月11日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)

 

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