英国の教育誌が発表する世界大学ランキングで、国内筆頭の東京大が順位を落としました。去年まではアジアの首位でしたが、シンガポ-ル大や北京大に抜かれ3位になっていました。ほかの国内組で、200位以内は京都大のみです。国は、2013年の日本最高戦略で大学ランキング上位行の増加を政策目的として、グロ-バル人材の育成を進めようとしています。その目玉事業となっているが、留学生増加や海外連携を進める東大など37校に予算を充てるス-パ-グロ-バル大学構想です。
このランキングの指標自体が、欧米の大学に有利となっています。ただランキングは、留学や大学間研究、企業連携などの相手を決める際、参考にされるといわれています。すぐに影響は出ないと思われますが、長期的には東大より北京大が良いという学生がアジアで増えるかもしれません。外国人の有力教員を採用できる予算を確保したり、海外で引用回数の多い雑誌への投稿を増やしたりすることが、今後より一層必要となります。
(2015年10月22日 朝日新聞)
(吉村 やすのり)