性別による役割分担意識

 男性の育児参加を呼び掛ける声は大きくなっています。実際、夫が家事や育児を担い、妻が主たる稼ぎ手になる例は増えています。主夫という生き方が一般的に浸透するのは難しいことですが、男性でも家事や育児を担えるということ、多様な夫婦の形があることを示すことは意味があることです。父親の育児参画が、子どもの発達に好影響を及ぼすことが様々な研究で明らかになっています。

一方で、性別による役割分業の意識根強いものがあります。内閣府の女性の活躍推進に関する世論調査によれば、夫は外で働き、妻は家庭を守るべきだという考え方に賛成と答えた人は、男性の46.5%、女性の43.2%にのぼっています。総務省の社会生活基本調査によれば、共働き世帯の一日の家事関連時間は妻の4時間53分に対し夫は39分と大きな開きがあります。男性の家事・育児参画が進まない現状については、父親の長時労働や、育児参画への理解を得にくい職場環境が背景にあります。女性はいい母親でいて、家事も完璧にやるべきだという社会規範の問題も大きいと思われます。

(吉村 やすのり)

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