ノロウイルスは、下痢・嘔吐などを起こす感染性胃腸炎や食中毒の原因になります。ノロウイルスによる感染症は主に冬に流行します。抵抗力の弱い高齢者や子どもは特に注意しなければなりません。ウイルスは、付着した食べ物を食べさせたり、汚染された手で口などに触れたりして体内に入るため、予防は手洗いが基本となります。
人間に感染する遺伝子の型の中でも遺伝子の一部が変異しやすいとされています。今回、新型と騒がれているのはGⅡ・17という遺伝子型のウイルスの一部が変異したものです。これまでは、GⅡ・4という遺伝子が主流でした。人間を病気にさせる力は、従来型と同じ程度とみなされています。ただ、従来型の一部が変異したウイルスや、過去に流行していない遺伝子型のウイルスに対して、体を守るための免疫を持っていない人がほとんどのため、大流行しないか心配されています。
(2015年10月29日 朝日新聞)
(吉村 やすのり)