東京都内の20歳代の女性のうち、風疹の免疫を十分に持っていない人が4割弱いることが、都の2014年度の集計調査で明らかになりました。妊婦が風疹のウイルスに感染すると、難聴などの障害を持った先天性風疹症候群の子どもが生まれる可能性があります。都は妊娠を予定する女性に加え、夫など家族の男性を中心に抗体検査や予防接種を受けるよう呼びかけています。20歳代女性の38%、30歳代女性の27%が、免疫の抗体価が十分でない低抗体価保有者でした。男性はどの年代も低抗体価である比率が3割以上を占めています。
女性の場合、1962年4月1日以前に生まれた場合、学校などで定期予防接種を受けていません。男性の場合、1979年4月1日以前に生まれた人は定期予防接種を受けていません。都内では、2012年2013年に風疹が流行し、特に2013年の患者数は約3400例にも及びました。成人が9割を占めており、男性が女性の約3倍で、1973年~1980年生まれで顕著でした。風疹ワクチン接種は、国民の義務です。米国では、30年以上も前から小学校に入る前にワクチン接種が義務づけられていました。私の子どもが入学する際には、抗体価を調べないでワクチンを接種しました。抗体価の結果を待つより、ワクチン接種した方が、手間がかからず効率もよいとの考えです。
(2015年10月29日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)