ニコチン依存症は、2006年度から保険で診療を受けられるようになりました。その対象は、1日に喫煙本数と喫煙年数をかけた指標が200以上の患者に限られています。1日40本吸う人でも5年以上たたないと保険が適用されない計算です。また、20代の依存症患者の約8割が対象外となっています。このニコチン依存症に対して、公的医療保険が適用されていない20代の患者も保険の対象に含める検討が始まっています。
厚労省の2011年度の調査では、20代の喫煙率は男性が36.3%、女性が12.7%です。それぞれ全体の32.2%、8.2%より高値を示しています。喫煙者の約7割がニコチン依存症という調査もあり、20代の患者は男性が約176万人、女性が約59万人にも達します。20代のニコチン依存症への治療の保険適用拡大は、将来への医療費削減を考えれば推奨すべきと思われます。
(2015年11月2日 朝日新聞)
(吉村 やすのり)