看護の質を客観的に把握し、見つめ直す試みが広がってきています。ミスや院内感染などにまつわる病院の様々な情報を集約し、項目ごとに全国での立ち位置が分かるデ-タベ-スが今夏より始動しています。日本看護協会が2年の試行期間を経て、7月に本格的に稼働させました。
患者の転倒や院内感染の発生率から看護師の労働時間や配置人員に至るまで、136項目の情報を全国約500病院の4000病棟からデ-タを集約しています。各病院ごとの全国レベルを、分布図やレ-ダ-チャ-トなどで把握できます。他の個別の病院名は表示されません。今夏から日看協や日本助産師会など5団体は、分娩介助や妊婦健診の実績などから、助産師の実力を認証する制度も始めています。医師不足が続く中、看護師が一部の診療行為を担える人材を育てている病院もあります。患者に寄り添い、癒やす、そんな存在から、看護師が領域をぐっと広げていることは大変評価できます。
(2015年11月22日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)