総務省消防庁にとると、2013年に一般市民に目撃され、心臓が原因で心肺停止状態になった2万5千人余りのうち、市民によって心肺蘇生が実施されたのは約1万3千人で51%です。そのうち1割の約1400人が、1カ月後に日常生活に戻っています。一方、実施されなかった約1万2500人で、日常生活に戻れたのは約600人であり、5%に過ぎません。
何もせずにAEDの使用が1分遅れると、救命率が7~10%下がるとも言われています。すでに50万台以上販売され、全国に設置されていますが、2013年に使われたのは、心臓が原因の心肺停止が目撃された人の3.6%に過ぎません。その人たちの1カ月後の日常生活復帰率は、4割を超えています。実施する人は年々増えていますが、まだまだ救える命はあります。全ての人が実施できるようになるのが望ましいと考えられます。
(2015年11月24日 朝日新聞)
(吉村 やすのり)