軽減税率とは、消費税の負担を和らげるため、一部の品目だけ通常より税率を低く抑える制度です。一般的に所得の少ない人ほど所得から消費にあてる割合は高いとされます。消費税は、所得が少ない人ほど負担感が重くなる逆進性の高い税金として位置づけられます。そのため、低所得者層の税負担を緩和する狙いから、軽減税率が導入されます。
欧州では日本の消費税があたる付加価値税の税率が、16.7%から20%超を超える国も多く、食料品などの税率を低く抑えています。軽減税率の対象を広げると消費者は喜びますが、税収は減少します。食料品の中の加工食品も軽減税率の対象とすれば、税収は約1兆円減少することになります。
(2015年12月10日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)