女性の研究者

 文部科学省の科学技術政策研究所がまとめた科学技術指標2015によれば、2014年現在の日本の女性研究者の割合は14.6%であり、比較可能な主要国・地域の中でも最低ランクでした。最も割合が高かったのはアルゼンチンで52.7%、ポルトガルの45%が続きます。英国やスペイン、イタリアが30%台と高い一方、ドイツやフランスは20%台と同じ欧州でも10ポイント近く差がありました。アジアの諸国は割合が低く、韓国は17.7%、台湾は21.8%でした。
 科学技術政策の道筋を示す第5期科学技術基本計画では、女性研究者の活用が柱になっています。約25%にとどまっている女性研究者の採用割合を5年後をメドに30%にするという数値目標を掲げています。日本をはじめとする女性研究者の割合が低い国では、企業で働いている女性研究者が少ないことに基因しています。企業における女性研究者の活用が望まれます。

(2015年12月18日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)

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