糖尿病、高脂血症など生活習慣病はかつて成人病と呼ばれていました。しかし、予備軍は若年世代でも増える傾向がみられます。厚生労働省の2014年調査では、体格を測るBMIが25以上の肥満だった20代は男性が20.9%、女性が10.4%でした。大学に入ると、加工食品や外食などで脂肪分や糖分が多い食事をとることが増える一方、運動の機会がそれまでより減り気味になることも背景にあります。喫煙や飲酒など将来に影響する習慣が身に付くのも大学時代が多いとされます。
大学時代は親の管理下を離れることで、食事や睡眠など生活全般が不規則になりがちで、生活習慣病の下地が生まれる時期です。中高年からの病気と高をくくらず、健康的な生活で自己管理に努めることが大切です。学生は生活習慣病のことをよく分かっていないことが多いと思われます。若い時からの生活習慣により、40代以降に影響が出て来ます。とくに女性は人生の各ライフステ-ジで身体が劇的に変化します。正しい知識を深めて、自ら解決する力を持つことが大切です。その教育の重要です。
(2015年12月21日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)