子宮頸癌ワクチン不使用に関するリスク

世界保健機関(WHO)のワクチン安全性諮問委員会は、日本の子宮頸癌ワクチン接種の積極的な勧奨が中止されていることについての声明を出しました。その内容は、若い女性をヒトパピロ―マウィルスによるがんの危険にさらしていると批判するものです。日本でワクチン接種後に全身のしびれが報告されている問題では、厚生労働省の専門部会は、ワクチンの成分が原因である可能性を否定していますが、副反応に苦しむ女性のことを考慮し、わが国では接種を勧奨していない状況が続いています。
WHOの諮問委員会は、ワクチン接種再開の合意に至っていないことに対し懸念を示しています。また薄弱な根拠によって有益なワクチンを使わないことは、女性に対し実質的な損害につながる行為であると警告しています。仮に副反応のリスクがあったとしても小さく、長期間にわたりがんを防ぐ利益との関係で勘案すべきだとしています。諸外国からのこうした忠告を受け入れ、一日も早くワクチン接種が開始されることを望みます。

(2015年12月24日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)

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