肺塞栓症の治療

 肺塞栓症は、脚などの静脈内に血栓ができ、血流に乗って肺の動脈を詰まらせる病気です。主な症状は息苦しいさや胸の痛みで、突然死することもあります。長時間座り続けていると起きることがあり、エコノミ-症候群とも呼ばれています。国内の発症者は、年間約7900人との報告があります。近年その発症率は増加傾向にあります。治療には血液を固まりにくくする薬が使われます。
 従来の治療では、発症後直ちにヘパリンを点滴し、その後はワルファリンを服用していました。服用中は食事の制限があり、ビタミンKを含んだ食品を食べることができません。しかしながら新薬では、食事制限の必要がありません。速効性であり、イグザレルトではヘパリン点滴の必要もありません。一つの問題点は価格が高いことです。新しい2薬は基本的に11錠ですが、症状によっては長時間飲み続けるため、経済的な負担は大きくなります。

(2015年12月22日 朝日新聞)
(吉村 やすのり)

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