総務省の労働力調査によると、非正規労働者の割合は2014年に男女合わせて37.4%であり、男性(21.8%)よりも女性(56.7%)が高い傾向にあります。企業が非正規労働者を活用する最大の理由は、賃金の節約のためであり、非正規労働者の各種福利厚生制度や社会保険の適用状況も、正社員に比べて依然としてかなり低い状況にあります。
女性や高年齢者では非正規労働者の割合が高率ですが、中年男性の非正規雇用に比べて問題視されることはありません。しかしこの層こそが日本の労働力の活用面での鍵を握っています。女性活躍推進法案については、管理職に占める女性比率を高めることに関心が集まっていますが、女性労働者の過半数の就業形態である非正規労働者も対象にしています。事業主には、非正規労働者の待遇改善も含めた行動計画の策定と着実な実行が強く期待されます。
(2015年12月23日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)
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