日本性教育協会の調査によると、青少年の性行動は低下しているようです。高校生、大学生ともに「デート」「キス」「性交」の経験率は、2005年をピークに減少しています。昨今の若者たちの恋愛に対する消極性を示すデータとも言えます。内閣府が15年に公表した調査においても、恋人が欲しくないという20代未婚者は男女とも4割程度を占めています。これらのデータは、未婚化の上昇や晩婚化・晩産化を招き、さらなる少子化につながることを示しています。
10代の妊娠率や人工妊娠中絶率は減少しています。クラミジア性感染症も2002年前後をピークに減少しています。これらの事実は性教育の成果とも思えないこともありませんが、若者の異性離れを示しているのかもしれません。日本性教育協会のデータでは、初めて射精した年齢が中学生と答えた男子が11年は36.2%にとどまっています。99年の52.9%から大幅ダウンしています。こうした性的自立の遅れも心配です。
(2016年1月6日 朝日新聞)
(吉村 やすのり)
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