加齢黄斑変性

 加齢黄斑変性は、網膜の真ん中にある、直径6ミリメートルほどの黄斑という部分の障害によって起こります。真ん中がよく見えず、物がゆがんで見えます。ひどくなると視力が大きく低下して、失明してしまいます。日本では50歳以上の12%がこの病気にかかるとされています。網膜の外側の脈絡膜から異常な血管が生じ、漏れ出した液体成分や出血のために網膜が浮き上ってしまう滲出型が多いとされています。
 急に見え方が変わったらすぐに眼科を受診することが必要です。また生活習慣に気をつけることも大切です。たばこは吸わない、日射を避けて波長の短い青い光をカットするサングラスをかけることも重要です。緑黄色野菜に含まれる色素の一種であるルテインや青魚に含まれ抗酸化作用が高いオメガ3脂肪酸などを積極的にとることも勧められます。加齢黄斑変性には効果的な薬が出てきています。最近では異常な新生血管の成長を妨げる抗VEGF(血管内皮増殖因子)薬が使用さるようになってきています。またいろいろな細胞に育つiPS細胞を活用した再生医療にも期待が集まっています。加齢黄斑変性の70代の女性にiPS細胞から作った網膜細胞のシートを移植する手術が実施されています。

(2016年1月17日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)

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