男女共同参画の目標値―Ⅲ

女性の登用比率

 企業で働く女性の定着は広がっていますが、活躍となると進んでいません。企業は近年、育休や時短の拡充など女性に優しい戦略を競ってきました。しかし、女性だけへの優しさ合戦の限界が表れています。わが国における企業管理職に占める女性の割合は、一向に上がっていません。
 民間企業の女性登用比率を、課長級で9.2%を15%まで上げる目標を揚げています。こうした働き方改革は、全社員対象なので、制度を作り、風土を変えなければいけません。企業は本気のトップダウンが必要となります。改革の水をまいても、保守的な4050代の管理職がまるで粘土層のように立ちはだかり、浸透しません。やはり、女性の登用に対してクォーター制を導入することが必要となります。
 時代は変化してきています。女性も稼ぐことで家計をしっかり支えるという意識を持つことが必要となります。活躍とは、仕事とお金が見合った状態にあることだと思います。やりがいだけではなく、経済力をつけることは重要です。そのためには、女性が管理職となって活躍することが大切です。

(内閣府男女共同参画白書 2016年1月16日 読売新聞)
(吉村 やすのり)

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